・講演会レポート


町 亞聖さん(平成二年卒業)

 平成二十五年九月八日(日)秋雨の中、午後一時より母校四階の視聴覚室において、元 日本テレビアナウンサー「町 亞聖さん(平成二年卒)を講師としてお迎えし、『十八歳からの介護』 というテーマで講演会が開催され、大勢の卒業生が耳を傾ける中とても感動的なお話しを聞く事が出来ました。  市高生三年の時にお母様が「くも膜下出血」で倒れられ、お母様の介護をされるとともに弟妹さんの母親代わりとして学校行事等に出席されたり、またご自身も受験勉強をしたりと私達には想像し難い大変なご苦労をされたにもかかわらず、笑顔でお話しされている町さんはとても輝いて見えました。  また「大好きなお母さんが少しでも笑顔でいてほしい」との思いで、お母さんが喜んでくれるような介護や体調が良い時には、車イスのまま小旅行へ行ったりしたとの事でしたが、現在のようにバリアフリーが整っていない時代に車イスで旅行している私達を「こんな所まで車イスで来るの?」と奇異な目で見られた事も多々あったとおっしゃっていました。  日本テレビのアナウンサーの在職中は『がん』というテーマで長期間取材をしており、町さんのお母様もくも膜下出血から数年後には『がん』を患っていたこともあり、その体験から「担当の看護師さんやソーシャルワーカーさんの方々とコミュニケーションを取る事がとっても大切だし、また患者さんや家族が声を上げることも大切」と、目に涙を浮かべながらお話しをされていました。  これから超々高齢化社会を迎える日本では、介護は女性だけではなくすべての人が直面する問題であり、介護される人も介護する人もその人らしい人生が送れるようにするためには介護保険制度だけでは十分ではない事も強調されていました。  「私は、たまたま良い上司・良い会社に巡り会えた為に、母の介護をするに当たって退職せずに済みましたが、介護を理由に会社を辞めている人はたくさんいます。介護で休むことを後ろめたいと思わないで済む環境を作るためには、会社や社会の理解そして何より一人ひとりの意識の改革が必要なんです」ともおっしゃっていました。  町さんは「現在フリーのアナウンサーとして仕事をさせて頂いていますが、私をきっかけにして医療と介護に目を向けてくれる人が増えればいいと思う。それらを踏まえて二〇二〇年の『パラリンピック東京大会』のリポーターをしてみたいとも考えており、『常に新しい目標を見つけて頑張って行く』・・・それが今の、そしてこれからの私の役割だと思っています」と結ばれ、お忙しい中にもかかわらず、笑顔と時には涙を流しながらの長時間にわたるご講演はとても魅力あるお話しで、私達に感動と前進する力を与えていただいた大変貴重なご講演内容でした。  町さんの今後益々のご活躍を祈念致します。ありがとうございました。

(担当 本田 廣 昭和四十四年卒)